FHK11 マーチカブリオレ マニュアルミッション載せ替え

検索すると故障事例しかヒットしないCVT。

今後の維持を考慮してマニュアルミッションに載せ替えることにしました。

そのうち奥様が書類編(改造自動車申請)を執筆するとのことです。
よろしければどちらも目を通してくださると幸いです。

目次

マニュアルミッションの調達

必要部品や搭載レイアウトなど分からないと困るので我が家ではマニュアルのHK11マーチを1台調達してきました。

ヤフオクで5万。検切れでかわいそうな見た目のマーチでした。

こちらの車両から各種部品を取り出し、我が家のカブリオレちゃんに移植します。

部品取り車からミッション摘出・必要部品の取り外し

まずは外装は外しておいた方がいいのでヘッドライト、バンパー等を外します。
ヘッドライトはとても手が入りづらい所に取付のナットがありますのでスパナで少しずつ頑張ります。

色々取り外されていますが下準備です

下記の順で部品を取り外します。

  • タイヤホイール
  • ブレーキキャリパー(外してどっかに引っ掛けておく)
  • スタビライザー
  • タイロッドエンド
  • ロアアーム
  • ナックル
  • ドライブシャフト(使うので大切に)
  • マフラー(フロントパイプ・センターパイプ)
  • マフラー遮熱版
  • シフトリンケージ(使うので大切に)
  • アクセル、ブレーキ、クラッチペダル(使うので大切に)
  • クラッチワイヤーとスロットルワイヤー(使うので大切に)
  • セルモーター(使うので大切に)
注意点

現段階では取り外せませんがコアサポート下から車両前後方向に伸びてるエンジンメンバーはオートマとマニュアルで違いますので後で忘れずに確保します。(品番が違うってだけでオートマメンバーにマニュアルミッションは載る)

アクセルペダルはCVTとマニュアルで電磁クラッチのスイッチがペダルに取りつくため部品が異なります。
故にトルコンATとマニュアルではおそらく同じものが使われていると思いますが未確認です。

K11(CG10DE : 1000cc)のモデルとHK11(CG13DE : 1300cc)でブレーキペダルの作りが違って互換性がありません。注意が必要です。

スロットル・クラッチのワイヤーの両方共に新品が出ないようなので大切に取り扱います。

セルモーターもマニュアル用・オートマ用で違いますので忘れずに確保を

ようやくミッション本体の取り外しです。
マウントが共締めになっている部分などがありますので、エンジンが傾かないようにエンジンホルダーなどで固定します。バッテリーの下あたりにあるミッションマウント、エンジンと共締めになっている縦メンバーのマウントを取り外し、ミッション-エンジン締結のボルトを取り外します。
エンジン-ミッションを繋いでいるパイプ状の部品2点はマニュアル専用ですので無くさないようにします。下図参照。

取り外しただけではミッションは外れませんので取り付け面をこじってゆすって外します。
ミッションは40kgくらいですので、持てない重さではないですが、お腹で受け止めると重くて痛いです。賢い人はミッションジャッキ等を使って受け止めてください。

ミッションの取り付け面

上記画像より締結ボルトの本数と位置関係をご確認ください。
上部の2本がやたら手が入りづらい所にありますので見逃さないように注意が必要です。

ミッションを降ろしたら忘れずにエンジンからフライホイールを取り外します。
クランクプーリーをデカいスピンナーハンドルで固定してフライホイールの締結ボルトを取り外しました。
取り外した後はこんな感じになりますのでとりあえずこのまま部品取りくんは放置しましょう。

CVTの取り外し

マニュアルミッションと同様に下回りや内装をバラしていきます。
アイドルアップ用にミッションからスロットルワイヤーが出ていたり、インヒビタースイッチ関連の何かがキーシリンダーに行っていたりと細かい違いはありますが頑張ってバラします。

CVTフルードを抜いてこちらもドライブシャフトを引っこ抜いてドライブシャフトは念のためきれいにして保管しておきます。

ミッション-エンジン締結ボルトの配置は同じなので外すまでは同じです。重さがCVTとマニュアルでは全然違うのです。ビックリするほど重いので腹で受け止めるときには怪我なさらぬよう注意ください。

ちなみに私は貧弱のオタクなので本当に体力も筋力もありません。翌日は筋肉痛でした。

降りたCVT

車体の加工

バルクヘッドにクラッチ取り付ける穴が開いてるかと思たのに・・・穴、開いていませんでした。

加工するのはいいのですが。スペース的にダッシュボード外す or エンジンをズラすかの二択を迫られましたが、
私はエンジンをちょっとズラしました(縦メンバーをマニュアル用に変えるのでどうせエンジンを浮かす必要があった)

エンジンを下方にズラし、クラッチワイヤー取付穴加工スペースを確保した図

150mmくらいエンジンを落としたような気がします。
ちなみにこんな感じでエンジンを下げましたが、エンジンハンガーを使うのが安全かなと思います。

元通勤車のアトラスくんにエンジンを保持してもらいました。

クラッチワイヤーにはバルクヘッドへの締結用フランジがついています。

クラッチワイヤー取付の図

車内側に『取り付けはここです!!』と言うような窪みとネジのガイドがありますので、ポンチ打ってドリルで揉みます。
25くらいのホールソーでセンターの穴を開けます。穴は大き目に開けます。
フランジのガイドが斜めなのでピッタリの穴径だと刺さりません。

ついでにマニュアルとオートマでスピードメーターワイヤーが違いますのでここで一緒に変えましょう。
手が入りづらく達成感のない作業ですがしっかりこなします。
あとスロットルワイヤーもオートマとマニュアルで違いますのでここで変えます。

3本のワイヤーが通せましたのでミッションを搭載します。エンジンを降ろした状態のままの方がスペース的に作業しやすかったので私はこのままミッションの搭載をすることにしました。

スプラインの図

新品のレリーズを組み、スプラインにスプライングリスを塗布します。
カブリオレのエンジンからドライブプレートを取り外し、フライホイールを取り付け、クラッチディスク、カバーを取り付けます。センター出しは養生テープをグルグル巻きにしたエクステンションを使いました。
お金持ちになったらクラッチセンターツールを買いますが、今のところ養生テープで何とかなっています。

内装等の取付

フロアはオートマもマニュアルも同じですので、オートマのシフトレバー取り外したところにマニュアルのシフトレバーが取り付きます。トリムはちょっと違いますので内装もよろしければ用意した方がいいかと思います。
シフトのトリムは1000ccか1300ccでちょっと違いました。なんでだろう…。

内装取付した図

内装ってわけではありませんが配線も加工します。
古いクルマなので配線の加工はほんの少ししかやりません。

インヒビターSW結線の図

インヒビターリレーを取り外して写真のように結線します。これがないとエンジン掛かりません。必須。

手書き図

私の手書きで申し訳ありませんがオートマのミッションハーネスの結線図です。
2つコネクタが出ているので、5sqくらいある太いハーネスの方のコネクタは短絡させます。

もう1つの方のコネクタは3番に12Vが来ていますので、マニュアルミッションから生えているリバースとニュートラルのコネクタのそれぞれ片側に結線し、8番をリバースのもう片側、9番をニュートラルの片側に配線します。

ちなみに車体のリア側から生えているのがリバースの配線で、左タイヤ側から生えているのがニュートラルの配線であります。

とりあえずここまでやればエンジンはかかるようになりますので、オイル入れたりドライブシャフト付けたり色々準備します。

必要な部品

部品取りを1台買うのは難しいと思いますので使用した部品を書きます

  • マニュアルミッション(1300cc用 RS5F31V)
    • 1000cc用(RS5F40V)は取付は出来ますがモノは違います。
  • アクセルペダル
    • 別に変えなくても互換はあります
  • ブレーキペダル
    • 1000ccと互換無し
  • クラッチペダル
    • 1000ccと互換有
  • フライホイール
    • 1000ccと互換有
  • マニュアル用縦メンバー
    • オートマ用、1000cc用共に互換有
  • エンジンマウント・マウントステー各位
    • 別図参照、ATとMTで相違あり
  • クラッチディスク
  • クラッチカバー
  • レリーズベアリング
  • シフトリンケージ
    • 1000ccと互換無し
  • スピードメーターワイヤー
    • AT用と互換無し
  • クラッチワイヤー
    • 1000ccと品番が違いますが互換は不明。
  • スロットルワイヤー
    • オートマと互換無し
  • ドライブシャフト左右
    • 1000ccと互換無し
  • マニュアル用セルモーター
    • オートマ用と互換無し、1000ccとの互換不明

こんなもんでしょうか。
別図はこちらです。赤丸で囲ったマウント、マウントステーがマニュアルと互換がありません。
縦メンバーのうち、青丸で囲ってある部分がオートマとマニュアルで異なる部分です。

部品図

例のごとく、クラッチは各社ネットショッピングで買い間違いのない3点セットで出ておりますので是非お役立てください。

以上となります。実作業は2日くらいでした。安全作業で行いましょう。

あとは奥様の気分次第で公認改造の書類作成とお受験に関して執筆されると思いますので、今しばらくお待ちください。
せっかく載せ替えしたので堂々と公道を走りたいですものネ。

おまけ(CVT分解)

どうせ捨てるCVTをバラして遊んでみました。

ドライブベルトの図

スクーターの駆動系を触ったことがある人なら分かると思いますが、それとほぼ同じです。

ひとつ大きく違うのは、引きベルトじゃなくて、自動車は押しベルトです。押すんですよ。すごい。

ベルト分解

金属製のバンドにコマが沢山ついていて、これで押しているようです。
このコマがよく飛び散ってCVTがブローするようです。壊れる前に載せ替えられてよかった。

ドライブプーリー

巨大すぎて笑いました、スクーターのハイスピードプーリーとか組んでいた頃が懐かしい。

筆者

ここまでにします。おまけまでご覧いただきありがとうございました。

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