ミスミmeviyを利用してトラックにヒッチメンバーを自作した。

うっす!オタクっす。
車種専用品のヒッチメンバーが無いので・・・作ります。

うん・・・作るぞ!

目次

はじめに

筆者

車載トレーラー買いました

ウチには950登録が済んでいるタフなダブルキャブトラックがいる。

ということで、ダブルキャブに車載トレーラーが引けるくらいの強いヒッチメンバーを作っていこうと思います!

設計

設計は下記のステップで行いました。

既製品の横ニラミ

クラスEと言われる最大牽引重量が2000kgほどのヒッチメンバーで板厚が9mmくらい。分厚い。

ヒッチメンバーの強度を高めれば高めるだけ車体に負担が寄りそうなので、必要最低限の強度を狙っていきます。

現状把握と構想

実車を見たところラダーフレームにちょうどいい穴があるので、それを使ってボルト止めしていこうと思います。

一般的なモノコックに比べてフレーム形状が単純なので設計・製作は簡単であると推定。
また、貨物車のフレームはなので強度もある程度有していると推測しています。

そして、製品に織り込みたい要素を掲げましょう。
①材料の入手性
②材料価格
③加工性
④取付容易性
⑤車体への加工(なるべく車体に加工したくない)

この5つの要素をこれから具現化していきます!

取付け部の検討

ボルト締結の脱着式部品とするので、取付け部の構想から着手します。

紙でフレームの型を取り、3DCADでモデリングします。
同時に、等倍の厚紙を切り出し車体にマッチングの検証をしながら進めます。

材料の検討

車体との接合部はt=6のSPHCをレーザーカットして貰おうかなと思っています。
今後、詳細設計していくうえで強度不足であれば板厚を変えるか、材質をSS400に変更します。

左右を繋ぐ梁はSTKR400の□75 t=4.5で考えています。
この材料であればヒッチレシーバーを取付しやすく、近所の鋼材屋さんで入手できそうです。

ちなみにこのSTKR400はちゃんとJIS G 3466で寸法等を定義されています。

構造の検討

最低限の加工で最大限の強度を出せるよう考えます。
加工が最低限であれば、加工者の技量で品質が左右しづらいと考えています。

レーザーカットで側板を切ってもらうので、そこに寸法的な要は担って貰おうと考えています。
そしてメインの梁とヒッチレシーバーの接合は溶接線長をなるべく稼げるように設計します。

筆者

溶接は線なので、部材間の接合が面になるのは美しくないですよね
なので、梁にはヒッチレシーバーの角材が
ピッタリと収まるようにくり抜こうと思います。

これなら加工に高度な技術を必要としないかなと思います。

強度検討

ある程度形ができてきたら強度解析でも回してみます。
自分の考えやイメージがどの程度の強度を有すか。ドキドキの瞬間です。

試験モードといっても、そんなノウハウはありません。
ましてや振動や瞬発的な力の入力に関しても想像もつきません。

なので、購入したトレーラーの最悪条件時の2倍くらいを負荷してみて、安全率大きめに取ればヨシとします。
最大積載時に加速度4.0m/s^2で加速した、という条件で引張り方向の力も負荷しています。

本当は溶接ビードもモデル化した方が正確で、応力も立ちづらい。

試作

鋼材もレーザーカットも買ってしまうと後戻りできないので、
設計最終段階の状態で3Dプリントし、取付上の干渉などをチェックしていきます。

この段階で使用予定のボルトナットも3Dプリンタで出力し、
ボルト長さ、ワッシャー乗上げなどをチェックします。

今回、1箇所干渉がありましたが、僕の中で協議し車両側を削って対処することとしました。

部材発注

STKR400(メイン梁)

個人でも取り扱ってくれること、定尺で1本からでも取り扱ってくれることを確認し、購入します。

電話帳を引いて鋼材屋さんを探して鋼材を注文します。

側板

側板についてはこの前も使ったミスミのmeviyを使ってレーザーカットして貰おうと思います。

この板をミスミで切ってもらいます。

ヒッチレシーバーチューブ

ヒッチレシーバーを差し込むチューブは、穴あけなど自分でやりたくないのでヤフオクに出てる
ヒッチメンバー自作用のレシーバーチューブを買うことにしました。
寸法は指定で作成してくれるので、所望の寸法を算出しておきます。

ヒッチボール

ヤフーで買いました。50mmのヒッチボールにしてくれと指定があったので探します。
重量物を引くのでシャンク径25mmの太いやつです。

取り付けボルト

ボルトについては強度があるものでかつ、錆に強いものを選びました。

強度区分は10.9、表面処理はクロメート処理であれば大丈夫だろ。と思っています。
フレーム側に当て板をしたりするわけでは無いので特寸ワッシャーで面圧を逃がしてあげるようにします。

製作

いよいよ製作です

板厚が4.5ともなるとディスクグラインダーで切るのが大変です。
おうちDIYではその程度が限界。鉄粉まみれになりながら頑張って切っていきます。
プラズマ切断機も併用しながら部材を作っていきました(上手に使えなくてガタガタになる)

家庭用の半自動溶接機でバリバリくっつけていきますが、溶け込みを確保するために開先を用意しておきます。
直流半自動とはいえ100Vなので、バーナーで予熱しちゃんと溶け込むようにします。

車上で仮組し、そこで点付け溶接します。歪むと困るので。

歪みは溶接箇所の急激な入熱ではなく、周囲温度による急激な冷却によって収縮するらしいです。
収縮するときに引っ張られないようにちょっとづつ溶接していきます。

最後にしっかり塗装して防錆します。美観・防錆も性能の一つと思っています。

取付

一体物で重いですが気合い入れて取付していきます。
溶接でちょっと歪んだけど頑張って取り付けます。叩いたり蹴ったりして取り付けましょう。

とはいえ、歪みがないよう気をつけて作業したので想像よりは歪んでおりませんでした。うれしい

試作時に干渉があった箇所についてはマフラーステーを削って逃がしてあげます。

掛かった費用

項目購入先個数価格
STKR400 75*75 t=4.5鋼材屋さん6m (定尺)16000円
側板ミスミ meviy2枚9000円
ボルトナットミスミ14組3500円
レシーバーチューブヤフオク1本4000円
ヒッチボールヤフーショッピング1個3800円
合計36300円

この他にヒッチレシーバーを買うつもりがまだ用意できていません。
塗料や工具、消耗品代などは特に含めていませんのでこの他費用はいくらか掛かっていますね。

とはいえワンオフ屋さんに頼んだり、既製品を買うよりかなり安く済んだと思います。

終わりに

市販品のヒッチメンバーを買ったことが無いので、設計意図がよくわかりません。
自作であれば使用使途に見合った意図を持って設計できるのが利点だと思います。

ここで、「適当な自作部品を装着した自動車で道路運送の用に供するとは何事か」
というような声がインターネットから聞こえてきそうですね。

市販されているヒッチメンバーであれば、特別な国の認可を受けていて、壊れることもなく、何かあっても完全な保証があり全ての責任を負う、なんてことはないと思います。
ましてやヒッチメンバーなんて指定部品ですのでマトモな決まりすらありません。

どうかあまり面倒なことは言わんといてください。

だからといって無責任で粗末な状態が許されるわけでは無いので、相応の自覚を持って製作です。

是非、迷惑の掛けない程度にモノづくりしてみてはいかがでしょうか。

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