耐久レース用ミライースで足回りのセッティング幅を広げたい、信頼性の高い設計の部品が欲しい。
僕が考えた最強のストラットアッパーマウントを作り出そう。
はじめに
ヤフオクで買ったメーカー不明L175ムーヴ用車高調ですが、キャンバー調整機構はついているものの、調整幅が狭くレース走行時のタイヤの当たりがイマイチでした。
ドライバーが下手くそで角が削れている可能性あるけどね
ステアリングこじりすぎ?ブリブリアンダー?
マシン側の対策としてキャンバーボルトを使用しキャンバーを付けていました。
ところが、縁石を使って走るとめちゃくちゃズレる。
走行中に不用意なアライメント変化が起きるのは本当に最悪です。
そこで、キャンバー調整機構を廃して信頼性を稼ぎつつ、最大限のネガティブキャンバー角とキャスター角を得られるようなアッパーマウントを設計制作していきます。
ステップとしては、
①既存のものを計測し寸法を取ったのちに3DCADで所望の形状をモデリングしていきます。
②3Dプリンタで水準品を作り動作や周辺部品との兼ね合いを見ます。
③形状が決まったらミスミのmeviyで切削品の製作を依頼します。
ぜひ見てください
設計
Fusion360で3Dモデルを作り込んでいきます。
私はスペースいっぱいの塊を押し出してから不要な部分を削る、、ようなモデリングをしています。
必要なディメンションをスケッチで引きつつ、、必要な部分を押し出したり削ったり・・
後から変更しやすいようにフィーチャーを細かく分けてモデリングしていきます。
試作
3Dプリンタで試作していきます。
何水準か寸法を変えてプリントし、周辺部品との兼ね合いを見ていきます。
PLAで出力しているので強度は低いですが、ナックルまで締結してみて所望のアライメントになるか計測しつつ、ストロークさせた際にも干渉がないかをチェックします。
ここまでチェックが終われば切削加工の依頼を出していきます。
切削依頼
ミスミのmeviyで切削を依頼します。
meviyでは3Dモデルを入稿して加工してもらいます。
なんといっても図面を書かないでモノができあがります。
図面で寸法や表面性状を入れて指示をするのはちょっと面倒ですよ。
ちなみに私は1級機械・プラント製図技能士なので図面もチョロいもんですが、楽な方に限ります。
モデルをアップロードし、モデルアノテーション情報からある程度の寸法情報や加工指示が出てきます。
それを見て問題なければそのまま加工依頼出してしまいます。
納期によって価格が違います。最速で作るとお値段が高いので私は1ヶ月納期で作成依頼を出しました。
値段が半分以下になるんですよね。
また、お値段に関しても特殊な形状でなければリアルタイムで反映されて確認できます。
材質と加工情報から自動計算してくれるそうです。かなり安いです。また使います。
現物の取り付け
モノが上がってきました。納期通りに1ヶ月で届きました。
規格寸法の厚さで設計しなかったので、片面は切削痕あるもののもう片面は素地無加工です。特に問題ないのでヨシ
試作品と並べても同じです。当たり前か?
でも実物になって手元にやってくると嬉しい。
早速車高調に組み付けて車両に組み付け。
分かってはいたものの結構攻めた見た目になっていると思います。でもまあ普通に使えるはず。
キャンバーは目論見通りしっかりネガティブに。角度はご想像にお任せします。
キャスターもしっかりつき、切り込んだ時の対地キャンバーは適正なものとなり、
直線安定性も上がったような感じがします。軽自動車ですがバシっと舵角が決まりビシっとまっすぐ走ります。
ちょっとステアリング操舵が重くなった気がしますが。
終わりに
市販品を買ってつけただけでのクルマ作りって面白くないし、せっかくなら自分で色々考えて色々試しながら100点に近づけていきたいですよね。
今回はそんな意図もあって高い金出して色々試してみました。
結果として、いいモノができたと思っていますし、今後のマシンメイクに良い影響になったと思います。
まだビリしか取ったことのないミライースですが、今後表彰台に乗れるように、メカニックとしてクルマ作りとドライバーとしての腕磨きを頑張っていきたいと思います。
いつかはトロフィーが欲しい!!