格安!サブバッテリー 走行充電 構築 自作!!

やっほー!オタクです。

今回はダブルキャブに電源を構築し、快適な自動車旅ができるように改造します。

市販品のアイソレータ、サイクル用鉛蓄電池を使って安くDIYします。

目次

はじめに

我が家のファミリーカーであるダブルキャブトラックのダイナは荷台に幌を架装し、テント付きカーに昇格しました。
見た目は商用車ですが、立派なキャンピングカーとなりました。

気分はキャンプですが、電源が欲しい。
寒い時、暑い時のために電源が欲しい。

ということで、初心者でも安心!
安全で信頼性があり、そして安く仕上げるために鉛蓄電池を使ってサブバッテリーを構築します。

構想を練る

まず初めに電源の用途を明確にし、必要な諸元をイメージします。

我が家の場合は…

  • 冬場の暖房用
    • ホットカーペット(2畳用 : 500W)
    • 電気毛布(40W程度)
  • 夏場の冷房用
    • 12V駆動エアコン(750W)
  • 一般用途
    • ドライヤー(これが一番電気食う想定 : 900W)
    • その他家電

こんな感じの使用使途です。

冬場の場合、電気毛布とホットカーペットで540W程度
夏場の場合、12V駆動エアコンで750Wの使用が主です。
また、瞬間最大電力はドライヤーと想定。

瞬間最大電力に応じて正弦波インバータの出力を考えますので、ドライヤーも機種を考えます。

詳細設計

先の章では使用使途を明確にし、必要諸元がなんとなく見えたのでバッテリー容量を考えます。

いきなりですが、鉛蓄電池はその特性上、放電容量放電電流の大きさによって変化しますので、
・想定する連続消費電力
・使用時間
を考えながらバッテリー容量(≒並列個数)を算出します。

筆者

分かりやすく言うと、電灯のように小さい電流の放電を長時間行うよりも、
ドライヤーのような大きな電流の放電を短時間行う方が使用可能なバッテリー容量が少なくなるのです。

一般的に言われている内容ですが、5時間率放電容量での容量を100%とすると、
1時間率放電での容量は60%近くまで落ちます。

今回使用するディープサイクルバッテリーはモノタロウのプライベートブランドの激安品を使用します。
20時間率容量は95Ahで、何個並列で設置するかを今回検討します。
価格は1つあたり1.2万程度でした。

検討に際して、イメージしやすくするために、電源を使用する際の消費電力を数パターンピックアップし、バッテリーの容量の選定をします。
今回は300W,500W,750Wの3パターンでの電力消費でシミュレートしました。

筆者

ちなみに100Vでそれぞれの電力消費量を12V時の電流にすると
300W÷12V=25A
500W÷12V=41.7A
750W÷12V=62.5A


次に、バッテリー個数と各電力消費量から放電時間率を算出します。
下表は95Ahで1つ、190Ahで2つ並列、285Ahで3つ並列…という見方をします。

各条件における放電時間率(単位:h)
放電レートとも言う

ここで放電時間率と容量の関係図を示します。
放電レートが高い(消費電力少ない)方が全放電容量が多くなることが分かります。

放電時間率と容量の関係

上図の放電時間率と容量の関係は一般値から近似線を出したものです。
乱暴に算出したのであくまで参考までに。

放電時間率と容量の関係図より先に計算した放電時間率時の電池残量を読み取ったものを下表に示します。

消費電力と容量の関係より読み取った蓄電池容量率(%)
※5時間率での容量を100%としているのでそれ以上だと100%を越えます。

以上より、3つ並列以上設置すれば750W消費時でも95%程度の容量率を確保できるので3つバッテリーを購入しました。
本当は4つ載せたかったなあ

今回使用したバッテリーはディープサイクルバッテリーなので、本当は20時間率で95Ahの放電容量です。
今回の計算で5時間率を100%容量としたのは購入したバッテリーの充放電特性が分からなかったので、この値で計算させていただきました。

バッテリー容量に合わせた走行充電器(アイソレータ)を探す

前の章でバッテリー容量は95Ahのものを3つで285Ahに決定しました。
この章では市販の走行充電器を選定します。

早速ですが鉛蓄電池の最適な充電レートは0.2Cと一般的に言われていますので、
285Ahのバッテリー容量に対する最適な充電電流は57Aです。

ちなみに、充電電流の最適値より少ない分には悪い影響はありませんが充電時間が多くかかります。
レートの高い充電を行うと鉛蓄電池の特性上、取り出せる放電容量が少々減るようですが、あくまで机上の理論的な話です。気にしすぎないように。常識の範囲内であれば壊れたりはしないと思います。

一般の始動用バッテリーと違い、ディープサイクルバッテリーは充電電圧が高めなので専用のモノを使用します。

ですので、オルタネータの発電電圧までしか電圧が上がらない従来のアイソレータ(分流器)ですと、
満充電になりづらく、ディープサイクルバッテリーの性能を使いこなせません。
なるべく昇圧機能の付いた走行充電器を選びます。

とはいえ、オルタネータも14.4~14.7Vくらい出力しますので、お好きなデバイスを選べばいいと思います。
無責任なこと言ってすみません。

…と色々述べましたが、財布と相談して、
今回は40A出力で昇圧機能のあるものにしました。60Aのものもありましたが価格的にちょっと高いので諦めました。
市販品ですが、充電ロジックも明示されており、納得いく買い物ができました。

正弦波インバータ等の選定

疑似正弦波や矩形波によるAC100Vを使用すると故障する虞のある家電や、動作しないものもあるそうなので、
今回は『純正弦波』のインバータを調達しました。

メーカは走行充電器と同じメーカで揃えることにしました。

出力1000Wと2000Wで全然値段が違うんです…今回は予算の都合上1000Wを選びました。

読者様

1000W以下ってまともなドライヤー動かなくない?

筆者

1000W未満でちゃんと風量があってちゃんと乾いた気になるドライヤー探しましたよ。
全国のキャンピングカーオーナーに勧めたい。

取付

いよいよやってまいりました。我がダブルキャブへ各デバイスを搭載し、キャンピングダブルキャブへと進化です。

バッテリーフレームは30*30mmのLアングルを2m程買ってきて、切って溶接して作成しました。

製作途中です。この後塗装して完成です。

バッテリー同士の並列接続にには銅製のバスバーを使用します。ブスバーって言う人もいるそうです。
モノタロウで買いました。

幅20mmの板厚t=3の物を使用。許容電流120A

日立アステモの分岐バッテリーターミナル。質感も高く安い

車両のメインバッテリーから22sqのKIVで荷台まで引き込みます。
この3分岐バッテリーターミナル、オーディオなんかやる人なんかにもおススメです。

ちょっとゴチャゴチャしていますが許して下さい。

メインバッテリー-走行充電器間に60Aのヒューズ、
インバータ-サブバッテリー間にも50Aのヒューズを設置し、漏電や短絡しても燃えないようにしました。

キャビン側に設置した電源ソケット

キャビン側にもインバータからの100Vとサブバッテリーの12Vを引き込み、荷台でもキャビンでも100Vと12Vを使用できるようにしました。

自作サブバッテリー環境のレビュー(実用試験)

サブバッテリーを構築してすぐに北海道に行きました。

マイナス20℃の環境下で荷台テント泊をしましたが、ホットカーペット、電気毛布を使用し、ドライヤーやヘアアイロンを使用しましたが不具合なく使用できました。

RENOGYの走行充電器(RNG-DCC1212-40-JP)や正弦波インバータ(RIV1210P2-10S-JP)共に不具合なく使用できたのでよかったです。

また、鉛蓄電池も低気温環境下ですと放電容量が少なくなることから、朝までホットカーペット持つかな?と不安でしたが持ってよかったです。
8時間しっかり電化製品が使えました!

そういえば、なんで鉛蓄電池にしたかというと、初心者にでも取り扱いやすいからです。
温度依存も少なく、冗長性が高い、発火等の危険性が極めて低いです。
現在市販されているリン酸鉄リチウムイオンが危険という訳ではありませんが、同列にして比較するとやはり鉛蓄電池に分があり、取り扱いも初心者向けかと思います。

バッテリー容量に対して充電電流が小さいですが、1日あたり10時間くらい走るので、朝バッテリーを使い切ってもよるにはほぼ満充電になっているような気がするので連泊でも問題ありませんでした。

締め・費用精算

総費用13万ちょいで300Ah近い走行充電設備の検討・搭載ができました。

細かいこと色々書きましたが、割と価格を優先させて各種デバイスを選定していましたね。

とはいえ、1月の北海道にての10日にもわたる実用試験にも耐え、快適な睡眠環境を提供できたので、
私の構築したサブバッテリーによる電源環境は成功だったという結論にします。

今後の展望としては、迫り来る猛暑に向けてエアコンを設置したいです。
夏場も実用試験と称して遊びまわりたいです。

インターネットには廃バッテリーを用いて自作サブバッテリー環境を構築している人が散見されますが、
サイクル用途でない自動車の始動用バッテリーなんかでサイクル使用すると一瞬で放電容量が無くなります。

適切なバッテリーを用いて快適に自動車旅をしましょう。

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