オタクです
素直なスロットルレスポンスを実現するためにエンジンマウントとデフマウントを強化品に交換することにしました。
快適性は多少損なわれますが、それを上回る性能向上でした。ぜひご覧ください。
はじめに
エンジンマウント、デフマウントを交換するにあたり、かなり大掛かりな作業になります。
参考にされる方は2日ほど自動車が動かなくなる覚悟をして作業に取り掛かりましょう。
私は自宅ガレージにある2柱リフトを使用しましたが、リフト無しでも作業は可能です。
部品調達
エンジンマウントはマウント強化剤を入れて強化品を作成する前提で新品を購入しました。
左右で1か所ずつ、合計2点です。
新品のエンジンマウントに注入するマウント強化剤はネットでおなじみのエムアーツモータースポーツ製を使用しました。
硬度は気合入れて90にしました(最高硬度)
ヤフオク専売とのことなので入手の際はヤフオクで購入しましょう。(5000円くらい)
デフマウントはALPHA RIGIDの強化マウントを使用しました。
エンジンマウント加工
新品のエンジンマウントにマウント強化剤を流し込み最強になってもらいます。
アルミテープで囲いを作り、1液と2液を混合させた樹脂を流し込みます。(めちゃくちゃよく混ぜます。)
600gすべて使い切りぴったりでした。しっかり固まってもらいます。
気温が低いと硬化に時間がかかるとのことでしたので、
段ボールに入れてドライヤーで加熱しながら24時間ほど硬化時間を取りました。
デフマウントブッシュ打ち換え
簡単に打ち抜けなさそうなのが見て分かったので、事前にデフマウントを用意し、ブッシュの打ち換えを行いました。
よくRX-8のデフマウントステーを流用される方が多いので私も例に倣ってRX-8のステーをヤフオクで買いました。
打ち抜くのは難しかったです。プレスも入らなかったのでタガネで爪を叩いて2時間くらいかけて叩き抜きました。
自動車整備に必須工具です。タガネと金槌。
圧入はアスプロの12tプレスを使いました。プレスが無いとキツイと思います。
取り替え作業
私はデフマウントから交換しました。
- デフオイル抜き
- PPF外し
- プロペラシャフト外し
- リアナックル分解
- ドライブシャフト取り外し
各アームはテーパー座のボールジョイントですので市販のボールジョイントプーラーを使って外します。
私はアストロプロダクツのタイロッドエンドプーラーを使いました(2種類ありますが大きい方じゃないと入りません!)
無事リアのナックル回りが外れて、ドライブシャフトを引っこ抜くとデフが取り外せるようになります。
NCロードスターのデフは20kgちょいしか無いかと思います。
作業スペースも思いのほかありますので特に気負うことなく手で受け止められます。
左がNCECで右がSE3Pのデフマウントステーです。
取付位置関係は同じですが、形状が異なりSE3Pの方が形状的に強度が出ているそうです(分かりませんが)
左がAPLHA RIGIDの強化デフマウントブッシュで右が純正品です。
ゴム硬度が違う上に中実になっていることで拘束度が高く、余計な動きが少なくなるとのこと
ここまできたら元に戻していきます。
エンジンマウントの交換も控えていますので
PPF、ペラシャ以外は復元してデフをロープ等で落ちないよう固縛しておきます。
なぜかというとロードスターはミッション-デフがPPFで物理的に接続されているため、エンジンマウント交換の際にエンジンを持ち上げると交換したばかりのブッシュに負荷がかかるからです。
エンジンマウント交換
エンジンマウントの交換はそんな難しくありません。
メンバー-マウント間の固定ナット、マウント-エンジン間の固定ナットを左右共に外すとエンジンが持ち上げられます。
ツールアクセスが微妙でしたが、ストレートのメガネレンチに助けられました。1本は持っているとイイです。
14と17です。本当にあると便利
本当はエンジンハンガーを使えばいいのですが、面倒なのでオイルパンにジャッキを掛けてエンジンを持ち上げました。
LF-VEはアルミ製オイルパンなので割れないよう木っ端を噛んでジャッキアップしました。
また、ジャッキアップの際はホースや配線を千切らないようよく確認しながら行いましょう。
通常であればマウントが抜けるほど持ち上げても問題ないと思いますが・・・
エンジンマウント交換の際の注意点ですが、
エンジンをジャッキで持ち上げると元の位置に戻らないことが多々あります。
ジャッキを降ろしながらバールやタイヤレバーでエンジンを抉って位置を積極的に動かしながら搭載します。
この作業が一番時間かかりますので注意してください!
我がガレージには2柱リフト、クレーンもありますが、
エンジンマウント交換の際はジャッキ+ウマで作業するのが一番安全でやりやすいと感じました。
エンジンさえ乗ってしまえばあとは復元作業ですのでPPF等取付け、外したアームもしっかり1G接地時に締めましょう。
経験談から思うこと
過去に乗ったクルマの中で何台かコーキングや接着剤、2液硬化ゴム等を使ってエンジンマウント強化を施したことがありますが、だいたい失敗します。全然効果が無いとか、すぐボロボロになるとか。
おとなしくマウント強化剤を買いましょう。僕は失敗から学びました。
あとデフマウントブッシュをアルミカラーにしてリジットマウントにするやつありますよね。
商品はとてもいいです。ですが、使う際は本当に必要かを判断して選ばないと後悔します。
私もJZX100クレスタに乗っていた際は溶接デフロック+デフリジットマウント+リアメンバーリジットマウントでやっていました。
オーバードライブ(5速)でヤバイ振動を催し、メンバーは割れ、トラクションが掛からないなど大変なことになりました。
拘束度はバツグンに高いのですが、自動車の寿命を著しく消耗させますので覚悟のある人間だけが選択してください。
私のような中途半端でつまんない人間は強化品くらいにしておくのがいいと思いました。
強化品でもびっくりするくらい挙動は変わりますし、なんかやる気の出る振動になります。
ちゃんとギアの入りもよくなった気がしますし、気持ち悪さが減りました。
さいごに
私は事前準備に1日くらいかけ、実作業にも丸1日掛けました。
余裕をもって作業しないとケガをするような内容ですし、作業の際には別のクルマを用意しておきましょう。
また、振動等もかなり増えましたが、内装がビビって会話もできない!!ってほどではなく、
多少賑やかかな?といったところで、この状態で妻と旅行に行きましたが普通にこなせます。
以上、オタクの整備でした。